顕勲神社(境内社)

日露戦争から大東亜戦争にいたる戦没者413柱を祀る、社殿は大正四年建立、 当初「東旭川護国神社」と称し、戦後「顕勲神社」と改称。戦前は在郷軍人会、終戦後は東旭川一円の町内会を対象に奉賛会を組織し、毎年七月五日に英霊祭を斎行している。 平成18年奉賛会結成60周年記念事業を実施、社殿屋根葺き替え、濡れ縁階段改修、石垣階段縁石更新、握社増築などの事業を施した。

顕勲神社奉賛会会報『いさおし33号』より引用

戦後ドイツ神話に惑わされるな

拓殖大学教授 佐瀬昌盛氏

信じがたい不勉強の産物
  五月三日の憲法記念日、『朝日新聞』社説は昨今の改憲論議に不満らしく、こう論じた。
  「旧西ドイツは戦後十年ほどの間に憲法を改め、再軍備に踏み切った。東西冷戦の最前線に位置し、西側陣営の圧力があってのことだが、それには徹底したナチス断罪と隣国との和解が大前提だった。米国と仲良くやってさえいればよかった日本とは根本的に異なっていた。」ー中略ーまず、事実関係、一九五〇年の朝鮮戦争勃発で、西ドイツ再軍備論争が燃え上がるが、実はそれ以前にアデナウアー首相はソ連による事実上の東ドイツ再軍備に危機感を抱き、自国再軍備に向けて観測気球を上げていた。他方、米国では西ドイツ再軍備必要論が本格化したのは、朝鮮戦争勃発のこと。
  この順序が重要なのだ。「西側陣営の圧力」で西ドイツが再軍備したのではなく、不安に駆られた西ドイツが再軍備を望んだのである。『朝日』説はあべこべ。だが、西ドイツ政権と米国の息があっても、事は思うに任せなかった。なにせ隣国のフランスが猛反対したからだ。ただ、事態放置はできない。そこでパリはドイツ人の国防主権は認めないが、西ドイツを西欧防衛目的に使うという一見妙案、つまりプレヴァン案に走る。米国も譲歩、同提案は欧州防衛共同体条約となり、ボンを含む西欧六カ国が署名した。そこまできて、ボンは再軍備のための憲法改正作業に向かった。非ナチ化は戦勝国の政策ドイツ人の望んだ再軍備は「西側陣営」に喧騒を生み、フランスからはむしろ反対圧力が働いたのだ。これは戦後欧州国際関係史の常識なのだが、『朝日』はこの常識を知らない。だからこそ、ドイツ再軍備には「徹底したナチスの断罪と隣国との和解が大前提だった」などと無茶苦茶が書ける。こんな「大前提」説を聞くとドイツの歴史家達は仰天するだろう。なぜなら、少なくとも戦後二十年年間、「徹底したナチスの断罪」なぞドイツにはなかったからだ。戦後の「非ナチ化」はドイツ人の自発行為ではない。それは戦勝国の占領政策であり、分けても米国が最も熱心に、糾し、」独善的に進めようとした。ドイツ人はやむなく従ったが、「米国にはナチスがわかっていない」と腹ふくるる思いを抱いた。ただ、戦後二十一年目には、「非ナチ化」された元ナチ党員が連邦首相になった事実は指摘しておこう。更に念のために言うと、再軍備を実現したアデナウワー首相は内外からの批判にもめげず、かってナチス人種法解説をものにした高官をその能吏性ゆえに首相府長官として一九六三年まで重用し続けた。これまた、戦後ドイツ史の初歩的知識に属する。和解先行の再軍備ドイツ再軍備にとり「隣国との和解が大前提だった」というのもでたらめ。今日のドイツが諸隣国、特にフランスと良好に和解しているからといって、一九五〇年代中期にもそうだったとみるのは空想だ。先述したように当時、独仏はまだそれができていなかった。独仏和解が動き出すには、ドイツ再軍備から七年後の一九六二年夏のドゴール・アデナウワー初会談が必要だった。しかもドゴール仏大統領は当初、きわめて慎重だった。独仏和解が「大前提」で西ドイツの憲法改正や再軍備がなったと書いている歴史書がいったいどこにあるのか。『朝日』よ、かくもでたらめな「戦後ドイツ神話」を掲げ、日本国民に偉そうな説教をたれるのは、恥ずかしいことではないか。 産経新聞 『正論』より

王毅大使にもの申す

芦原 嚴夫 八十六才  (北海道旭川市)

去る二十七日中国の王毅駐日大使が自民党の外交調査会で講演し、「一般の国民や政治家が國神社に参拝するのは差し支えないが首相や官房長官、外相は日本の顔だから行かないとの紳士協定があった、日本も一歩下がって適切に対処してほしい」と述べた。首相も官房長官もこの協定を否定した。戦没者と同じ年代の者として痛感することは、たとえ一億の国民が参拝しなくても首相、官房長官、外相に参拝してもらいたいと望んでいるに違いないからなのである。この国家のために殉じた戦没者の心情を受け、これに答えることは国家公務の第一でなければならない。そしてこれは世界各国普遍の行事なのである。昭和二十八年国会は戦犯者の名誉を回復し恩給権も復活したのである。戦後もすでに六十年もたっているのに尊厳なる戦没者の心情の問題にまで踏み込む傍若無人な外交攻勢は、無礼極まる内政干渉以外のなにものでもなく、心ある国民は憤激していることを、王毅大使は正確に本国政府に伝達してほしいものである。